ドライブ・マイ・カー
映画『ドライブ・マイ・カー』を観てきました。原作 村上春樹 × 監督:濱口竜介×主演 西島秀俊カンヌ国際映画祭 脚本賞はじめ複数の賞に輝いた本作。
昨日夕方何となくシアターを調べていたら、40分後に始まる回の席が空いていたので慌ててネットでチケット押さえて桜木町ブルク13へ。https://dmc.bitters.co.jp/
冒頭からいきなり静かなシーンが始まるのですが、とにかく目が離せなくなる。なんだこの緊迫感は。そして冒頭部分がやたら長くて本編が始まった時は「え?今から??ここから本番?」とちょっとビックリした。そうか、この映画は3時間近くの長丁場でした。西島秀俊は舞台の演出家役で、そのドライバー役の20代前半女に三浦透子。この二人が車の中でカセットテープを聞いてるだけのシーンが多い、いわゆるロードムービーに近い形なのかもしれませんが、とにかく静かで緊迫したシーンが続く。
しかし小さなエピソードからハッキリと事態が変化していく描写が凄い。3時間という長さを全く感じませんでした。そもそもこのドライバー女子。20代前半の女子でありながら寡黙で地味で車の運転に強く、一人オッサンのようにタバコをふかすカッコいい彼女の魅力に私はやられてしまいました。そして全体を覆う東南アジア的な雰囲気。実際、韓国や台湾、英語やロシア語などいろいろな言葉が飛び交っているのですが、日本の街を映していても東南アジアのどこか知らない街を見ているような錯覚に陥ったくらいです。
テーマはもちろんここには書きませんが、劇中劇とともに胸の奥の深いところに響くものでした。これから死ぬまで、たぶん私はこの映画で響いたことを忘れないようにしようと思った。そしてあのラスト…どういうことだろう…どういうことか誰か教えて欲しい…どこかでコッソリ是非!(笑)
余談ですがこの映画、やたらみんながタバコをふかしてるので「原作が古いから仕方ないのかな」と思って調べたら2013年のじゃん!!1980年代かと思ったよ!しかもカセットテープが出てくるし…あと金持ちのマンションなのに外廊下なのか…とか(笑)まあ本筋と何の関係もないですが、ちょっと小物が気になりました。しかし長く続く夜のトンネル、海沿いの道、瀬戸内に面した部屋など、素晴らしい景色をたくさん見せてもらって思い切って桜木町に行って良かったなあと思っています。ありがとうブルク13!